こどもの脳は生まれてから1年のあいだに著しく発達し、3才までに大体のベースがつくられるそうです。
ベースというのは、英語教育でいえば、真っ白な初期化された脳に、リスニング、スピーキング、リーディング、ライティングの4つの要素を受け入れる準備ができたという状態です。
パソコンに例えるのは適切ではないかも知れませんが、OSが起動しアプリケーションのインストールが終わったような状態だと理解していいでしょう。
この時期に喋ったり書いたりというのは無理ですが、リスニングによって刻み込まれた英単語や英会話の発音は、大人よりもはるかに正確に脳の記憶中枢にコピー&ペーストされていきます。
それは英語だけではなく、日本語でもフランス語などでも同じです。それが後に学習していく他の3要素の基礎になります。
とくに英語は日本語と違って、発音でコミュニケーションをとるものです。それだけに、最初の段階でいかにネイティブな発音に接するかが大事です。
ネイティブでなくても何でもいいという安易な発想は、言語教育の場合はNGです。ビデオやCDなどネイティブ講師の教材などを上手に使って、こどもが同じ発音で返してくるようになるよう導いてあげてください。
とくに注意が必要なのは自費で通わせる英会話レッスンで、そこに在籍している講師やインストラクターと呼ばれる人たちには血統によって個々に特徴的なナマリがあります。
言語にヴァージンな段階では、こどもは言葉の意味ではなく、発音で脳に記憶させていきます。英語教育の中で、リスニングがもっとも大事と言われるのはそのためです。
リスニングの教材や講師をおろそかにできない理由は、0才児でも3才児でも、脳にコピーされた英語の発音がそのままこどもの発音となってあらわれるからです。
小中学校の英語教育で問題視されていますが、たとえば日本語教師による英語の勉強(とくに発音)では、それをどんなにマスターしても、英会話力にはつながっていきません。
このようにリスニングとスピーキングは表裏一体で、ネイティブではないナマリのある発音を聴いて育ってしまうと、舌の使い方まで間違って覚えてしまい、その結果、発音の悪いこども、コミュニケーションの取りづらいこどもになってしまいます。